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適応障害

適応障害とは

適応障害明らかなストレス要因に対する反応として、抑うつ気分や不安感、絶望感といった情動の障害と、出勤困難や怠学、不登校、または無謀な行動などといった行動の障害のいずれか、もしくは両方がみられ、社会生活を適切に送れなくなった状態です。
他にも、不眠や倦怠感、頭痛、肩こり、動悸など様々な身体症状が現れる場合があります。
適応障害は様々な環境要因で発症しますが、その中でも職場のストレスや家庭内でのトラブル、経済的問題、身体疾患への罹患といった要因が多くみられます。また、他にも個々人のストレスへの適応力や脆弱性の違いによって、どのようなストレス要因によっても起こり得ます。
発症の要因は明らかなことも多く、そのストレス要因から離れることで症状が良くなる場合もあります。しかし、ストレス要因から距離を置くことが難しい場合には症状が長い期間持続してしまう場合もあります。

適応障害になりやすい人にはどんな特徴がありますか?

ストレスが同じぐらいかかる環境でも適応障害を発症する方と発症しない方がいらっしゃいます。これはストレスへの耐性やストレスへの反応の仕方、対処法などが1人ひとり違う異なるためです。

次のような特徴があると考えられています。

  • 真面目で責任感がある
  • 几帳面で物事を完璧にやらないと気が済まない
  • 他人から物事を頼まれると断れない
  • 自分より周りの人を優先しがちである
  • 周囲の目や評価が気になる
  • 他人に頼ることが苦手で1人で解決しようとする
  • 空気を読むことが難しい
  • 気持ちを切り替えることが苦手
  • 繊細で変化に敏感
  • 心配性で傷つきやすい

適応障害を発症する要因として性格も挙げられますが、過度なストレスがかかった場合には、その方の性格に関係なく適応障害が発症することもあります。そのため、適応障害はあらゆる方が発症する可能性がある疾患です。

適応障害は休職する必要がありますか?

仕事によるストレスが要因ではない場合、発症に関係するストレス要因から離れることで、少しずつ症状が和らいでいくため、仕事を休まなくても改善する場合もあります。
しかし、次のような場合は仕事を休んで治療に集中した方が良いと思われます。

  • 適応障害の症状が改善しにくい
  • 仕事のストレスによって症状が現れた

このような場合は仕事を休んで的確な治療を行うことで回復に繋がりやすくなります。また、仕事を休んで心身を回復したいと思う場合も休職が効果的な場合もあります。適応障害の治療には休息がとても重要です。症状が悪化しないうちに仕事を休んでしっかりと心身を休めることが大切です。
休職した方が良いかどうか、決められない場合には当院にご相談ください。

適応障害で
休職するまでの流れ

  1. 医療機関の受診
  2. 職場へ連絡(職場に産業医がいらっしゃる場合には産業医面談を含みます)
  3. 休職手続き

が逆の場合もあります。

1医療機関の受診

医療機関の受診まずはメンタルクリニックなどを受診して、今お困りのことを相談しましょう。医師の診察を受け、適応障害と診断された場合には、その後の治療法や生活の送り方について医師と相談しましょう。
その際に休職すべきかどうか、休職期間などに関してもご相談されることをお勧めいたします。
当院では病状に応じて、受診当日の診断書作成も承ります。

2職場へ連絡

医師から仕事を続けるのが難しいと言われたら、その事を職場に連絡するとともに診断書を提出しましょう。
この際、職場から産業医面談を行うよう案内される場合もあります。
職場毎に休職期間や休職中の給与などに関する休職制度の規定は異なります。また、休職制度が整備されていない場合もあります。もし休職制度が適用されない場合には、今後の対応方法について職場の方と相談する必要があります。

3休職手続き

休職することを職場に伝え、適用される制度を確認し手続きを始めましょう。休職手続きに加えて傷病手当金など使いたい制度があれば、そちらの準備も行います。
職場が用意すべき必要書類もあるため、利用したい制度の手続き方法を前もって調べておき、1回の依頼で済ませられるようにしましょう。
休職する場合は次の事項に関しても職場に確認しておきましょう。

  • 仕事の引継ぎ
  • 休職中の手当や給与
  • 休職できる期間
  • 休職中の連絡手段

休職中の過ごし方

休職中は、大きく次の3段階の時期において、心身の不調の程度や適切な過ごし方に違いがあります。

  • 治療期(休養期)
  • リハビリ期(活動期)
  • 準備期

一般的に前半は心身ともに休息し治療に専念する期間、後半は仕事に戻るための準備期間として考えましょう。

仕事を休んでいる間に回復しやすくなる方法は次の通りです。

  • 心身を休める
  • 定期的にカウンセリング(病状によっては投薬治療)を受ける
  • 規則正しい生活を心がける
  • 気分転換をする

復帰する際の注意点

仕事に復帰する時期は
医師と相談する

仕事に復帰する時期はご自身で決めるのではなく、医師と相談してから決定しましょう。

自分にあったストレス
解消法を身につける

上手にストレスを解消するには、認知行動療法などの精神療法が役立ちます。
仕事に復帰して体調に不安を感じたら速やかに医師にご相談ください。早く対処すれば再発しにくくなります。

適応障害の主な症状

情動的な症状

  • 抑うつ気分
  • 集中力や
    思考力の低下
  • 悲壮感
  • 絶望感
  • 神経過敏
  • 不安
  • 無気力
  • イライラ
  • 焦燥感
  • 混乱
  • 赤ちゃん返り
    (赤ちゃん言葉や指しゃぶり)

など

身体的な症状

  • 不眠
  • 食欲低下
  • 過呼吸
  • 肩こり
  • 全身の倦怠感
  • 涙が出てしまう
  • 動悸
  • 腹痛
  • 頭痛

など

問題行動

  • 無断欠勤・
    無断遅刻
  • 不登校
  • 早退
  • アルコールの
    過剰摂取
  • 無謀な運転
  • 喧嘩
  • ひきこもり
  • 仕事が進まない
  • 食べ過ぎ
  • ギャンブル依存
  • 器物破損

など

適応障害とうつ病の違い

適応障害とうつ病には同じような症状がみられるため、見分けるのが難しい場合があります。
この2つの疾患は、原因と回復過程が異なります。適応障害はストレスによって発症するため、ストレス因子がなくなれば症状が改善していきます。しかし、うつ病はストレスによって引き起こされる場合もある一方で、原因が分からずストレス因子がなくとも症状が出現し、なかなか回復しないことも多くみられます。
また、適応障害を発症した後、そのストレス要因に適切に対応することが難しい場合、症状が増悪してうつ病の発症に繋がることもあります。

うつ病

適応障害の治療

原因の特定と解消

まずは発症の要因を特定して、それを取り除くことが治療の目標です。ストレス要因から距離を置き、ゆっくり休むことが望ましいです。
実際にストレスを除去しにくいケースでは、少しの間だけでもストレス要因から離れたり、軽減したりするために学校や会社などと相談しましょう。また、ご自身に合ったストレス対応法を見つけ、同様のストレスを受けても負荷がかかりにくくなるようにしていきます。

薬物療法

薬物療法適応障害に対してお薬を使う場合もあります。具体的には、抑うつ状態があれば抗うつ薬を、不眠や不安があれば一時的に抗不安薬や睡眠薬を使用する場合があります。しかし、適応障害に対してお薬を用いても根本的な問題を解消できない場合が多いため、患者様の状態に応じて必要かどうか適切に判断し、治療を実施いたします。


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